増え続けている現状
厚生労働省の調査によると、2014年時点で看護師として働いている人の数は約154万人と過去最多の数字であることが分かっており、今後も就業者の数は増えていくことが予想されています。しかし、その一方で潜在看護師の数も増加の一途をたどっています。今後、より多くの看護師が必要とされる時代においてなぜ潜在看護師が増えているのでしょうか。
2012年の時点で、潜在看護師は約71万人いるとされています。看護師資格を持つ人のおよそ3分の1もの人が、看護師として働いていません。この数字からも分かる通り、潜在看護師の増加は社会問題となりつつあります。
潜在看護師が多い理由
ここ10年の間で、男性看護師の数は約10倍も増えました。しかし、それ以前は女性の割合が圧倒的に多く、女性特有のライフステージ(結婚・出産・子育て)による影響で退職を選ぶ人も少なくありませんでした。最近は徐々に改善されてきたものの、旧来の男性優位な社会構造を引きずっている部分もあり、女性が出産して子育てに専念する期間、キャリアの歩みを一旦止めなければならない傾向が強く、復職に難を示している人が多いようです。
また、医療技術の進化は日進月歩です。そのため、現場を離れていた看護師がいきなり臨床現場に復帰するのには大きな不安が残ります。医療介護サービスは多様化して需要は伸び続けており、多くの現場で看護師が求められています。しかし、ブランクによるスキルの低下や、医療の進歩についていけないという不安から、今一歩踏み出せないのです。
潜在看護師へのサポートが必要
近年は、潜在看護師の増加がようやく社会的に問題視されるようになってきました。看護師の離職防止を目的に施設内に託児所を設けたり、復職支援を積極的に行う病院が増えています。国としても各都道府県に設置しているナースセンターで復職支援サービスを行うなど、あらゆる施策を進めています。しかし、十分な環境が整っているとはまだまだいえない状況です。
出産や子育てによる離職、それに伴う潜在看護師の増加は決して個人の問題ではなく社会的課題を含んだ問題です。潜在看護師の問題に積極的にアプローチしていくことで、結果的に労働人口減少の防止、医療介護人材の充実による質向上、少子化問題など、あらゆる社会問題を解消していくことが可能となります。